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2024/5/19

4年ぶりのブラジルへの旅(その1: モンチアズール・コミュニティ協会)

八月九日から九月九日まで、丸々一ヶ月かけてブラジルに行ってきました。コロナの期間中いけなかったので、四年ぶりのブラジルでした。

その旅で体力を使い切ってしまったのかその後すぐにコロナになり、なんと一ヶ月以上も咳が止まらずに苦しみました。ようやく落ち着いてきたので、旅行の成果を整理しているところです。

今回の旅は、一九八八年から今までの35年間に私が関わったプロジェクトを再訪する旅でした。どんな旅になったか、写真を添えて簡単にご紹介します。

1. モンチアズール・コミュニティ協会

モンチアズールは、「シュタイナー教育」で知られるルドルフ・シュタイナーの思想(人智学)をベースにして、学校や保育園、学童保育、障害者のデイケア、診療所、助産施設などなど、コミュニティの生活が必要とする様々な活動を運営する民間団体です。ウテ・クレーマーさんというドイツ人女性が、市内のシュタイナー学校の教師を辞めて他の三人の仲間と始めた活動でした。軍事政権下の一九七九年のことでした。

私は一九八八年から一九九三年まで、そこでボランティアとして働きました。二十七歳のときの私の、ブラジルとの出会い、そしてシュタイナーとの出会いでした。

現在のブラジルは、実は世界でも最も急速にシュタイナー学校が増えている国の一つです。私がモンチアズールに出会った一九八八年当時は、ブラジル全土で一、二校しかなかったはずですが、今リストを数えてみたら、幼稚園を含めて九十八校の名前が並んでいました。

そこまでシュタイナー学校が広がっている主な理由は、中産階層ないし貧困階層の多い地域でどんどん新しい学校が生まれているからです。モンチアズールは、そんな新しいタイプのシュタイナー学校にとって憧れの「光」のような存在です。

私がボランティアをするようになって三年目(一九九一年)には、日本のユネスコ協会連盟経由で郵政省(当時)のボランティア貯金寄付金をいただき、コミュニティ協会の本部となる文化センターを建てることができました。スイスの領事館と半々に資金を出し合って実現したプロジェクトでした。

擦り切れるほどに朝から晩まで、そして週末にも活用されているモンチアズールの文化センター、日本からの寄付金がこれほどまでに有効に使われたプロジェクトもなかなかないことと思います。