CRIについて

かけがえのない子ども時代を守るために 

CRIチルドレンズ・リソース・インターナショナルは、ブラジルと日本の両国で生きる子どもたちの「子ども時代」を守り、支援することを目的とするグループです。CRI-Children’s Resources Internationalという名前には、「子どもたちの国際的な資源」という意味があります。参加するメンバーが、それぞれに自分の持つ能力、知識、情報、時間、資金などを「資源」として提供しようという会です。

CRIが生まれたのは1988年。ブラジル国サンパウロ州の「モンチアズール」というファヴェーラで、ルドルフ・シュタイナーの思想をもとに活動するグループ(モンチアズール・コミュニティ協会)に一人の日本人の若者がボランティアとして参加したときのことでした。モンチアズール・コミュニティ協会には、これまでに100人以上の日本人がボランティアとして参加してきました。

当初、CRIはモンチアズールでの日本人ボランティアの活動を応援するための仕組みでしたが、それらボランティアたちが日本に帰国するにつれて、日本のブラジル人コミュニティを対象とした活動も始まっていきました。現在は、多文化キャンプやセミナー、そして海外ルーツの子どもたちへの学習支援など、多文化共生社会の創出に向けた活動をおこなっています。帰国後のボランティアたちが、モンチアズールでえた経験とポルトガル語の力を生かして展開する活動に、日本各地のブラジル人コミュニティの若者や、まだブラジルを知らない日本の若者たちも参加しています。

ウテ・クレーマーさんとの出会い

私たちCRIのメンバーにとって、モンチアズールの創始者、ウテ・クレーマーさんとの出会いは人生を変えるような大きな出来事でした。ウテさんにとっても、私たちとの出会いは彼女の世界観を形作る重要な意味があったようです。

ウテ・クレーマーさん

私たちは、これまでに6回ウテさんを日本に招聘して、全国で講演を開催するなどしてきました。2008年には、CRIの20年・日本からのブラジル移民100年・ウテさんの70歳の誕生日を祝うために、200人以上が集う「マルチカルチャー・キャンプ」を開きました。2018年には、彼女の80歳の誕生日にかこつけて、”社会イニシアティブ”世界フォーラムを日本に招致しました。

ウテさん来日中には、深い出会いがたくさん起こります。一つだけエピソードを紹介します。

あるとき、モンチアズールのボランティアだった青年のお母さんから、ある漢字をプレゼントされました。書道のできるその方は、「人閒(門構えに月)」と書いて「江戸時代、人は月だった」ことを語りました。ウテさんはひっくり返るように驚いていました。ウテさんのブラジルのお家には、その書が今でも飾られています。「今の私たちの時代、人間が太陽に導かれる時代に入ったことを端的に表現している」と、説明してくれます。

ウテさんとモンチアズールの活動を紹介するブラジルのテレビ番組があるので、以下に紹介します。日本語の字幕がついています。