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2020/12/11

インターセクショナリティという考え方

“Intersectionality” という概念があります。「交差性」と訳されることもあります。「人種・性別・性的指向など、個人の特性が複数組み合わさることによって起こる特有の差別抑圧(や逆に特権も)を理解するための枠組み」と言えると思います。

黒人・女性や黒人・トランス女性への特別な差別抑圧がよく例として挙げられます。日本に置き換えて言うと、外国人児童生徒の学習障害を理解するときに必要な考え方ではないでしょうか。

全国の公立小学校では、外国籍の子どもが特別支援学級に通う率が日本人の子どもの2倍ほどであることが問題となっています。中川郷子さんによると「実態を調べるために、特別支援学級にいた日系人の子どもたちに、日本語とポルトガル語がわかる私が知能検査などを行いました。すると、発達障害の疑いがない子が半数ほどいた」とのことです。

外国にルーツがあることからくる異なった発達のニーズが、何らかの学習困難と混同されてそいういうことになっているという指摘かと思います。

「混同」という見方もできるけれど、外国籍・学習困難という異なった特性が「交差」して、独特の差別抑圧を受けていると見ることもできると思います。